心理交渉術についての考察・ほんの少しだけ、相手を凌げばいい!

vol.054

本日の本は
「交渉術養成ドリル」ダイヤモンド社 内藤誼人著 

ライバルに差をつけるプラスアルファとして、
あなたが売り込みをかけたいと思っている、非常に魅力的な会社がある。
その会社に対して、当然ながら、他の競合会社より優位に立つためには、
どのような心掛けで行動するのがよいでしょうか。

いくつかの選択肢を上げてみます。
みなさんはどれが適していると思いますか?

①企画書やサンプルを出すとき、競合会社の2倍は出す。
②企画書やサンプルを出すとき、競合会社の3倍は出す。
③企画書やサンプルを出すとき、競合相手より10分の1だけ多く出す。
④競合相手と同じ数を出す。
⑤競合相手のことなど気にしないで自分の出したい数を出す。

さあ、みなさんはどうでしょうか?

この場合は、競合する状況で相手を凌ぐために法則についてのお話です。
この法則は、応用の幅が広いので、本の答えが絶対ではありません。
みなさんでそれぞれ考えてみられたらよいと思います。
よくないのが、数の意識もなくやっていくという事です。
それでは、この本の答えは、正しいのは③番と言っています。
「ライバルより10分の1だけ前に出ろ」というのです。
簡単に解説します。

①番や②番が正しくないと考えるのは、
現実的にみても、相手の2倍も3倍も力を出せるわけもなく、
不可能に近いからです。
④番の相手と同じというのは、あまりにも売り込み先に対して訴えが足らない。
⑤番はやはり孫氏の兵法ではないですが、
「敵を知り己を知らば百戦危うからず」の敵を知ることを無視して、
戦略の立て方もあったものではない。

それではなぜ③番なのか、解説します。
感覚的に区別できる最小の強度差を
「弁別閾」(べんべついき)と呼びます。
100円のものと110円の価値が区別できるとすると、10円が弁別閾である。
ところが、その商品を200円にすると、今度は210円のものとは区別ができないので、
200円と220円なら区別ができ、20円が弁別閾となります。
このように比例して弁別閾も上昇して、
100円に対する10円、200円に対する20円という比率は、
だいたい10分の1で一定となります。
これを「ウェーバーの法則」といい、
この比率を「ウェーバー比」というのです。

つまり、この法則を交渉に取り込むとすると、
相手よりも10分の1だけ多く頑張れば、
それが他の人にも、はっきりと区別でき、
あなたと相手も違いがわかるのです。
「Aさんは、Bさんより仕事を頑張っている」とか、
「A店は、B店より品揃えが豊富だ」という判断をしてくれる。
本当は10分の1しか差がないのに効果抜群です。
それりゃ、何倍も差をつければ、それに越したことはないのでしょうが、
いつもできないことはしないほうがよいです。
それがプレッシャーになって自分を追い詰めます。
「ほんの少しだけ相手を凌げばいい」
これです。これ!


ではまた!

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